3Dプリンターの中で ABS樹脂の造形が安定していると評判なのが UP! plus2。その後継というか上位機種の UP BOXを見てきました。
UP BOX 概要
ABS樹脂やPLA樹脂を溶かして積層するFDM方式(メーカーはMEMと記載していますが)で、評判のいいUP! Plus2の造形エリアを拡大し、フルカバーにして安定性を上げたモデルです。最小造形ピッチは0.1mmでシングルヘッド。自動レベル調整機能付きの加熱式ビルドプレートを装備しています。
国内では代理店の直販サイトでだいたい277,800円〜350,000円(税別)です。主な代理店は、日本3Dプリンター、BRULE(ブルレー)、サンステラなど。
けっこうデカイぞ
発売前に写真で見た時は Ultimaker2 や Replicator2Xくらいのサイズかと思ってたら、 UP BOXは一回り大きかった! だいたい三辺500mmくらいありますよ。重量も20kgある…昔の大型CRTモニターみたいだな。自転車的な言い方をすると、タイヤをはめた20″HEの車輪がだいたい直径500mm弱です。
説明員の方が「家庭にもおけるサイズ」と言っていましたが、家庭に置くと確実にお母さんに怒られると思います、はい。
そのかわり造形サイズは255(W) x 205(H) x 205(D) mmとけっこう大きいですね。完全にカバーされた筐体だし外観も洗練されてるし、しかも「ムード照明」 (カタログにそう書いてある)まであります。そういう意味では家庭に置きやすいかもしれませんね。
いやー、ムード照明が付いたムーディーな3Dプリンターは、なかなか無いですよー奥さーん、どーすかリビングに1台ー。
穴あきビルドプレート
ビルドプレートはUP! Plus2と同様に加熱式の穴あきプレートです。見る限りスライドさせてネジ頭に引っ掛けて固定するようですね。
↓これはUP! Plus2の造形サンプル裏面写真ですけど、このようにプレートの穴に樹脂が入り込んではがれにくくなります。
ヘッドのレベル調整(ノズル先端とベルドプレートの隙間調整)はフルオートで1分以内で行われるそうです。それは便利! カタログを見る限りマイクロスイッチの付いたアームが下の矢印の部分についていて、自動でアームが降りてきてレベル測定するようです。
造形サンプルはなかなかキレイですね。積層ピッチが0.1mmになったためかかなりなめらかです。
おなじようなiPhoneケースの UP! Plus2のサンプルがこちら。比べるとかわいそうなんだけどさ。
↓こ、このグラデーションカラーのサンプルは一体…と思ったら、こういうふうに色がグラデーションになってるフィラメントを使ったそうです。
気になるところ
UP! Plus2の進化版といえるし、サンプルを見る限りは造形品質も良さそうですね。サイズ以外で気になる点は2つ。
・USBケーブル直結でないとデータを送れない
データを送った後はPCの接続は不要とのことですが、いちいちPCを接続するのは面倒ですね。家庭ならまだいいけど職場とかだといちいち自分のPCを持ってこなきゃダメか? 3D-CADのマシンだとデスクトップなので、それも出来ないし。
・純正フィラメントの種類が少ない
記事作成時点で純正フィラメントの色数は、ABSが6色、PLAが3色。ちょっとさびしいですね。純正は500gリールなので、下記のような汎用フィラメントはそのままでは使えないです。巻き直してうまく使えるかな?
というわけで気になる点はあるけど、ABSでの出力がメインなら有力な候補になる機種ですね。