自転車をそのまま列車に積み込むサイクルトレイン。東京・南会津サイクルトレインには何度も参加していますが、この秋に新しく只見線サイクルトレインというのが企画されるというじゃないですか。こりゃ行くべし!ということで参加してきました。マジで行って良かった。
イベント概要
福島県の会津若松駅から列車に自転車をそのまま載せて、会津川口駅へ。そこからサイクリングで只見町まで行き一泊するイベントです。今年 2015年に初開催されました。詳細は公式サイトをどうぞ。主なスケジュールは下記の通り。
1日目 : 会津若松駅〜会津川口駅 (サイクルトレインで約1時間半) → その後2コースに分かれて35km or 50kmのサイクリング → 只見町泊
2日目 : 只見駅〜大白川駅(通常列車で約30分) → 六十里越の峠越え(32km) → バスで会津川口駅 →サイクルトレインで会津若松駅
ここからは時系列はテキトーに、来年も行きたい!と思った印象的な点を五つ紹介しますね。
1. 貸し切り! 特別編成! トロッコ列車!
事前に詳細は聞いてなかったんですが、今回のサイクルトレインでは通常2輌のトロッコ列車にロングシートの一般車両を接続した特別編成でした。これはラッキー‼︎ 旅の気分が盛り上がります。鉄分ゼロの自分でもテンション上がります! (いっけんそうは見えないが)
集合は会津若松駅。駅前で受付と説明を受けてからいよいよ裏口からホームに入りますよ。
ホームをUの字に迂回して3番ホームへ。駅の構造上、階段などを使わず押し歩きのまま列車までたどり着けてステキ。時間に結構余裕があったので、記念撮影をしまくって過ごしました。
中はなんとストーブがあるっ、初めて見た! もちろんまだ火は付いてないですが。
車両編成に対して定員はゆったり目。のんびりと会津川口駅までの旅を楽しめました。これはまた乗りたいですな。
山の近さと水の豊かさと
只見は昨年のサイクルトレインで初めて訪れたんですけど、その時に印象的だったのが切り立った山の近さ。そしてその切り立った山並みを生み出した只見川は、豊かにゆったりと流れていました。
只見を歩いているとそこら中に湧き水があるし、田んぼの脇の小川も水位が高くて流れが早いですね。天然の炭酸水も湧き出てます。
その反面、平成23年7月の新潟・福島豪雨では街中が床上浸水する地域もあるなど、大変な被害に遭われたそうです。街のあちこちに水害のときの水位を示す石碑がありました。こんな山あいを埋め尽くす水が流れてたとは、ちょっと想像できません。
南会津サイクルトレインで会津田島方面は行ったことある方も、只見の景色はまた一味違いますよ!
只見線の不通区間
前述の水害で只見線の会津川口駅から只見駅の間は、幾つかの橋が流されて不通区間になっています。その様子を実際に見て知るのも今回のサイクルトレインのテーマの一つでした。
会津川口駅から走り始めて5分ほどの最初の橋。橋の右側が途切れてしまってますね。
次は少し上流の本名駅近くの本名ダムのすぐ下流。よく見ると空中で線路が途切れてます。ダムの放流で橋脚が流されたようです。
次は会津横田駅と会津大塩駅の間。こちらも空中で橋が切れてます。
不通区間があるとは聞いてましたが、こんな状況だったとは… いったいどれだけの水量だったのか、想像を絶しますね。電機関係の設計でメシ食ってる身としては、様々な技術者が関わった鉄道の設備が、こうやって復旧のメドも立たずに傷んでいくのが忍びないですね。なんとか復旧してくれるといいんですが。
こういうのも、説明を聞きながら見て回れるサイクリングツアーのいいところですね。
六十里越からの絶景
初日はA, Bの2コースに分かれてましたが、2日目は両コース合同での六十里越という峠を越えます。
まずは只見駅から新潟方面へひと駅、大白川まで只見線で移動しました。これはサイクルトレインではなく、一般ダイヤの列車でした。自転車はトラックで別に移動しています。
大白川から出発し16kmほど淡々と登ります。ギアが足りないほどの激坂は無いので、淡々とマイペースで登れば大丈夫。脚力が不安な方はこの上りをスキップするコースも用意されてました。
登り切ったらなかなかの景色。初日はわりと平坦でゆったりペースだったので、2日目の峠越えはメリハリがあって走りごたえがありましたね !
只見町ぐるみでのおもてなし
自分の中では初開催のイベントって、サービス精神旺盛でお得なイベントと、初回だけあって運営が不慣れでイマイチなイベントな場合があるかな?って思ってます。もちろんこの只見線サイクルトレインは前者! 只見町が主催しスタッフの方も観光まちづくり協会の方などが担当されてるだけあって、サービス精神旺盛でした。
そして東京・南会津サイクルトレインに参加した事がある方なら、Aコースのリーダーが野田さん、Bコースがクリキンさんと聞けばそりゃ間違いないわと思うでしょう。
今回の宿は南会津サイクルトレインでもお馴染みのますやさん。もちろん花泉も出ましたよ、ふふふ。ますやさんはこの料理のためにサイクルトレインに参加される方もくらいの人気の宿です。そして内装がリフォームされたようで、トイレが全てウォシュレットになってました。去年は違ったような?
只見線に乗ってていいなと思ったのは、沿線の方が手を振ってくれること! 「只見線に手をふろう」というキャンペーンのおかげか、駅周辺だけでなく農作業中の方もおかあさんといっしょの幼稚園児も手を振ってくれます。もちろん気づけばこちらも手を振り返す。これが楽しい! 東京で消耗しきってる心に染み渡りますぜ。
あと只見線応援キャラクターのキハちゃんってのがかわいい。グッズがあればうっかり買うところでしたが、残念ながら只見駅には無し。しかたないのでGoogle画像検索でも眺めることにする。生キハちゃんに会いたい…
ところで只見線の車両を見て、キムワイプっぽいなと思った工学部・理学部出身者は私だけでは無いはずだ(笑) なぁそうだろ、同志。
次回も行かなくては
そうそう、今回の只見線サイクルトレインは会津若松駅から出る事もあって、地元福島からの参加者が多かったのも印象的でした。東京・南会津サイクルトレインでは東京から出発するだけあって、ほとんど1都3県の方ばかりですもんね。同じ福島県の方でも只見線はなかなか乗らないとのことで、そういう意味でもいつもと違って新鮮でした。
今回は告知が直前だったこともあって、残念ながら参加者は定員割れしてました。来年はきっともっと参加者が増えると思うので、速攻で申し込みをしなければ…と思うイベントでした。