海外製3Dプリンターの地雷臭が気になる皆さん、こんにちは。今回は突如現れた国産3Dプリンター MUTOH Value3D MagiX MF-1000の実機を見る機会があったのでレポートします。
MUTOH(ムトー)ってどんな会社?
今回見つけたのはこちらの製品です。ABS&PLA両対応、200mm角クラスで20万円台など詳細スペックは後述。
1月中旬に東京ビッグサイトで行われた照明器具関連の展示会で見つけました。元々は同時開催の別の展示会が目当てで行ったのですが、ちょっと場違いなところにCube Xが置いてあるな・・・と近づいてみたらこの製品でした。なんだこれ、聞いてないぞ!! (実際は結構前に報道されてたらしい)
MUTOH自体は以前から国内代理店としてCubeシリーズ やProjet(業務用)を販売しています。そんなこともあってネットではCubeをパクったなどと非難されてるようです。でもMutohは以前から業務用プロッタを手がけているんですよね。自社技術を使えばパクるまでもないと思うんですが・・・実際に同社のプロッタと同様に、プリントされる側がY軸のみ動く構造です。
あ、ちなみにこの製品自体はムトーエンジニアリング製で、親会社が武藤工業、ブランドがMUTOHな感じ。
価格の割りに魅力的な仕様
詳細な仕様はメーカーサイト参照として、ポイントや展示会で聞いた内容をかいつまんで紹介します。
造形サイズは最大20cm×20cm×17cmで価格の割りに大きめで、積層ピッチ0.1mm、ヒーテッドベッド装備と今どきの標準を押さえてますね。
材料はPLA樹脂とABS樹脂両対応ですが、ヘッド交換により3mmと1.75mmのフィラメントの両方に対応しています。これは珍しい。標準は3mmとのこと。すでに通販サイトに交換用ヘッドも記載されてるのは好感度が高いです。アルミ製ヒーテッドベッドやアクリルカバーが標準装備なので、ABSの安定出力も期待できそうですね。
価格は直販サイトで20万(税抜)と、造形サイズや保証を考えるとなかなかリーズナブルなんじゃないでしょうか。
出力サンプルも好印象
出力サンプルもいくつか手にすることが出来ました。混雑している中での撮影だったので細かい出力条件や材料は分かりませんが、Cube (Cube Xだったかも)のサンプルと比べて平滑で糸引きが少なくキレイな印象です。積層の段はCubeよりちょっと目立つかも。 ※記事の最後にもいくつか写真を追加しておきます。
あと、タージマハルかなにかのサンプルは、このサイズの割りに4角の塔がまっすぐ出てますね。Make誌などで見た他機種のサンプルと比べても優秀な部類のようです。
体積のデカさが難点
ここまで好意的に見てきたんですけど、難点が一つ。造形サイズからしたらちょっと筐体が少しでかいんですよ。20cm角と言ったらReplicator2やウチのUltimakerと同クラスですけど、それよりも三辺10cmずつくらいデカイです。自転車乗り的にはBrompton2台分のスペースですよ! 奥さん! 逆に同じくらいの筐体サイズだったら、Cube Xのように25cm角くらいの造形サイズのものもあるんですよね。住環境にもよるけど家庭で使うには不利です。
自宅には置けないけどサポート体制や日本語対応を考えると、職場用の候補としてはいいですね。後継機も開発している様子なので、6月の設計・製造ソリューション展で進展があればまたレポートしたいと思います。
[追記] 価格.comでユーザーレビューを見つけました。「国産のなかではマシ」だそうです。。。やっぱり使ってみないと分からないですね。
[追記] なんとヨドバシカメラでも扱ってます。ヨドバシポイントが21,000ポイント付くぞ!(笑) ベンチャー系のマシンと異なる、さすがの販路の広さだわ。