10万円を切る低価格な3Dプリンターとして話題になった、ダヴィンチシリーズ。以前シンガポールで偶然ダヴィンチ1.0を見かけましたが、国内でも後継機を見ることが出来たのでレポートします。(…といってもだいぶ時間が経っちゃったけど)
ダヴィンチシリーズ概要
低価格な3Dプリンターのダヴィンチシリーズは台湾の XYZプリンティング製ですが、日本法人もあり海外製としては比較的安心して買えるということで人気があるようですね。液晶もカタカナ表示ができるなど、とっつきやすいかもしれません。
メーカーがFFF方式と呼ぶ、樹脂を溶かしてニュルニュル出す方式の3Dプリンターは6-7機種。
ダヴィンチ1.0はいちばん最初に出た機種でABS樹脂専用モデル。私がシンガポールの家電屋で見かけたもので、すでに生産終了のようです。
ダヴィンチ1.0Aは現在の標準となる機種で、ABS樹脂/PLA樹脂両対応に改良されています。これに3Dスキャナーを内蔵したのが、今回紹介するダヴィンチ1.0AiOです。
さらにスキャナーの代わりにディアルヘッド化して2色成形に対応したのがダヴィンチ2.0A Duoです。
Amazonでフィラメント等も売ってるので入手性もいいですね。フィラメントは専用カートリッジですが、600gで¥3,280と比較的お手頃です。
スキャナ内蔵のダヴィンチ1.0 AiO
まずは3Dスキャナ内蔵のダヴィンチ1.0 AiOから。標準スペックのダヴィンチ 1.0Aに3Dスキャナーが内蔵されています。標準価格で¥99,800はかなり割安に感じますね。
液晶がカタカナ表示になっていますな。
出力サイズのフットプリントは20cm角と比較的大きめ。加熱式ビルドプレートの下にある黒い丸いものがスキャン用の回転台です。
で、3Dスキャナー部分のアップ。2方向からレーザーを照射してターンテーブルを回転させれ3Dスキャンするそうです。スキャン作業は5分ほど。対象物は直径15cm x 高さ15cmまで。小さめのフィギュア程度ならスキャンできそうですね。
カタログによるとスキャンしやすいのは、石膏像など白色のものや丸いもの。スキャンしにくいものは光沢のあるもの、透明なもの、角、足などスキャンの影になりやすいもの、空洞のあるものなど…だそうです。スキャン前にゴムスプレーを吹いて、光沢を消すとスキャンしやすいみたい。
私も前に3Dスキャナーを試したことはありますが、ステンレスみたいに表面が鏡みたいに反射するものは全く読めなかったですね。
で、こちらは3Dスキャンして3Dプリントした、いわば立体コピーしたサンプル。雰囲気は出てますが、やはり細かい部分は再現できてないですね。
3Dスキャナー内蔵3Dプリンターというと、「やったーミクさんを立体コピーだー♪」みたいなツイートを見かけるけど、現実はまだまだこの程度です。これはダヴィンチが悪いとかでなく、個人が買える製品ではまだこのレベルではないかと。
それを承知であれば手軽に使えて遊べる機能かもしれません。3Dスキャンソフトも日本語化されてるようですしね。フィギュアみたいな量産品や工業製品よりも、自然にあるものやハンドメイドのものの立体コピーは面白いかもね。例えば石や果物、あるいは子供の工作とか。で、それを拡大・縮小して出力するとかな。
まぁいまちょっと書きながら用途を考えてみたので、「それおもしろいの?」と真顔で聞かれると困るけど。
いずれにせよ3Dスキャナー機能は限定的なので、あると便利…よりも、自分の用途にあってれば1.0AiOを選ぶのがいいんじゃないでしょうか。
デュアルヘッドのダヴィンチ2.0A Duo
で、もう一つ紹介するのがダヴィンチ2.0A Duoです。こちらも見た目は今までの機種とほぼ同じですね。標準価格で¥89,800。
見ての通りヘッドが2つ並んでます。
で2色成形のサンプルです。日本地図の方はこういう形状なので段差がけっこう出てます。
こちらのシマシマのサンプルはキレイにつながってますね。
ダヴィンチシリーズは低価格な海外製のわりに、ソフトや取説だけでなく液晶表示も日本語化されててメーカーのやる気を感じさせます。あと完成品なので、初心者の方は候補に入れてもいいんじゃないでしょうか。
ちなみに自分で組むのが好きなんや!…という自作派のあなたや私は、同予算ならBS01+のキット版がおすすめ。