パーソナル3Dプリンター大手の3D systemsの廉価な3Dスキャナー Senseが、国内でも正規販売され始めました。これさえあれば自分の変なポーズのフィギュアも簡単に出来そうな期待と、ひょっとして地雷じゃないかという不安を検討してみました。
[記事追加]→ 3Dスキャナーsenseがレンタルできるので借りてみた!
国内販売が開始された”Sense”
カメラのように手に持って被写体にかざすと、3Dデータを作成してくれるものです。今回紹介するSenseはPCにUSB接続して使うタイプで、国内価格は6万円弱。精度が違うとはいえ仕事で数年前に見た業務用機が500万円くらいしたのを思い出すと、この分野の進歩の早さに驚きます。スキャンできるサイズは20cm角〜3m角ですが、360°ぐるりと回ることを考えると人間くらいのサイズがちょうど良さそうです。
やっぱり友達集めて好きなポーズでスキャンするのが楽しそうですよね。あとは結婚式とかのギフトを作ったり、甥や姪を懐柔したりとか。服飾関係やファッション好き、コスプレ好きの方にとっては服の形を3Dで残せる事に魅力を感じるかも知れません。私も買ったら速攻でアフロ姿でのスキャンをお願いすると思います、妻に!
自転車好きだったら自分の乗車姿勢をスキャンしてみたいですね。あ、おれ、こんな風に人から見えてたのか。そりゃ犬もほえるわ。
あと「おじいちゃんが元気なうちにスキャン」なんて話もそのうち出てくるかも知れませんね。(何に使うのだ)
スキャンしただけでは済まない
などとステキな未来予想図の妄想が止まりませんが、こういった新しいガジェットは落胆と隣り合わせです。一番に思いつくのはデータ修正の方法ですね。スキャナーで影になってしまうアゴの下、服の裾の裏側などはデータ上は「穴」が開いた状態になってしまいます。スカートの中はどういう意味でスキャン可能か不可能か議論が別れるところですが、難しのは間違いなさそうです。
またふわふわした形の服や髪型では余計な点のような「ゴミ」がデータに載る場合があるでしょう。 そういった「穴」や「ゴミ」などを修正する手段が用意されてるか、あるいはフリーソフトなどで自前で用意できるかが購入時のポイントですね。
海外のレビューが詳しいぞ
と、ここまで書いたところで海外のレビュー記事を発見しました。(気付や、オレ!) 使用画面や3Dプリント品サンプルなども載ってます。
3D Systems Sense review: a 3D scanner for the masses (almost)
レビュー記事をざっくり読みましたが、だいぶ使用イメージがつかめました。
まず動作させるのにWindows PCは必須なのですが、Surfaceのような Windows タブレットでも大丈夫なようです。Mac版もアナウンスされていますが、こちらはまだのようです。
予想に反してスキャンデータは色情報も取り込み可能でした。これならPC上で見るだけでもそこそこ楽しめそう。
また「穴」を塞いだり「ゴミ」を取り除いたりなど、付属ソフトで簡単な修正は出来るようです。3Dプリンター大手の製品だけあって、一応自社製品だけで完結出来るみたいです。ただ細かい使い勝手やソフトの完成度など、初物だけあって改善すべき点は色々あるようですね。
ちなみにフィギュアのように小さいものをスキャンしたい方は、下記の記事のような卓上タイプのが良いです。もっともこの手のタイプはまだ高いですが。この記事のスキャン結果もまた、夢と現実が表れてますね(笑)
[参考] 噂の低価格3Dスキャナー『MakerBot Digitizer』を使ってみた!
で、結局買いなのか?
engadgetのレビューにあるとおり、3Dプリンターが使える環境なら十分楽しめそうです。もちろんウチにもあったらバンバン使いますよ! 帰省にも連れてくぜっ。でも同社からiPadに装着して使う”iSense“という製品もアナウンスされてるんですよね。仕様にもよりますが出張スキャンならこっちのが良さそうだなぁ。というわけで自分の場合はiSenseのリリースをUltimakerを魔改造しながら待ちたいと思います。
3D Systems、iPad 用3Dスキャナ iSense 発表。499ドルで2014年第2四半期発売予定
[追加] 公式ムービーを貼ってみました。製品紹介というよりはイメージ映像な感じ。