3Dプリンターユーザーの一部で話題のシート”BuildTak”を入手…の後編です。今回はReplicator2Xで実際に300時間ほど使ってみた結果をレポートします。 失敗プリントが減りました! 減ったよな、うん。
確かに剥がれにくい!
前回の記事ではBuildTakを入手して、Replicator2Xにセットするところまでを紹介しました。今回はいよいよテストプリント開始。
Replicator2XはABS専用機なので、ABS樹脂+ヒーテッドベッドを初期設定通り110℃まで加熱して使ってみました。そうしたらガッツリ張り付くのね。こりゃ確かに一層目のはがれによる失敗は減りそうですよね。
実は銅板を用意する前に、BuildTakをヒーテッドベッドに直貼りして出力しちゃったんですけど、ガッツリ付きすぎて剥がすのがエライ大変でした。そりゃもうガッツリと。そういう意味で銅板推奨なんですかね?
↓思い切って直貼りしたのがこれ。
それはともかく以前は底面積が大きい物を出力するときは、ヒーテッドベッドがあっても角が反って浮いてくることがありました。剥がれ防止のためにカプトンテープの上にスティック糊を塗っていましたが、BuildTakなら糊なして造形できてます。
耐久性は使い方次第
この状態で1ヶ月ほど、おそらく300時間ほど使ってみました。一層目の定着不良による失敗プリントは確実に減ってますよ。
ただしBuildTakはだいぶヨレてきました。特に中央部の合わせ目部分はかなり波を打ってます。
これはヒーテッドベッドの温度設定によるもののようです。Replicator2Xのヒーテッドベッド温度は標準で110℃ですが、ボンサイラボさんではBuildTak使用時のヒーテッドベッド推奨温度を60±10℃としてますね。
ビロビロの理由
高温のほうが樹脂が劣化しやすいのは当然ですが、下記のような理由も考えられます。
高温でABS樹脂の食い付きがさらに良くなる
→剥がす時に力がかかる
→高温でBuildTakが柔らかくなってる
→引っ張られてだんだんと延びてびろびろに
だったら推奨温度の60℃で出力すればいいんですけど、サポート材に使うディソルバブル・フィラメントは110℃のほうがいい具合に張り付くんですよね。で、これはABSの時のヘッド温度が230℃、ディソルバブルが250℃という温度差によるものだと思います。
ABSが60℃が推奨温度なら、ディソルバブルなら80〜90℃がちょうどいいのかなと。そこまでまだテストしていないですが。
ちなみにディソルバブル・フィラメントって、リモネン液に漬けとくと溶けるやつです。複雑な形状を出力するときに使います。
まぁ、一度作った出力データの温度設定を直すのが面倒ってのもありますが!
どっちにしろ耐久性を重視するなら、低めのヒーテッドベッド温度の方が良さそうです。
繋ぎ目は避けるべし
今回はBuildTakを2枚繋いでますが、繋ぎ目の上に造形するとはがすときにBuildTakがめくれて延びやすいようです。なので繋ぎ目を避けて造形したほうがいいみたい。データをそういうふうに作っとかないとダメですね。
実はボンサイラボさんのFacebookの記事を見て問い合わせた結果、Replicator2用のBuildTakを1枚譲っていただきました。今回は領収書取ったぜ。これはプロモーション用だそうで、いずれ正式な取り扱いを期待したいところです。
サイズは実測で292mm×165mm。いまヤツが完全にダメになったらこちらを試してみます。
いつのまにかAmazonでも大きいサイズが売ってますね。
BuildTakの使い方まとめ
長くなってしまいましたが、最後にBuildTakのまとめ。
・樹脂一層目のはがれによる失敗プリント防止に効果あり。
・ヒーテッドベッドを使う場合は、温度はABS樹脂で60±10℃が目安
・ディソルバブル・フィラメント等、出力温度が異なる材料はベッド温度も調整したほうがよい
・できるだけ繋ぎ目のない1枚で使う
・繋ぎ目があるときは、そこを避けて造形する
あと情報だけで自分では未確認なのは
・ケープスーパーハードを吹くと非加熱ベッドでもABSが成形できる
ということで、次は自宅のUltimakerで非加熱ベッド+PLA樹脂を試します。レポートはまた後日するかも。
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