今年も行ってきました、設計・製造ソリューション展 (通称DMS展) 。業務用・パーソナル用を問わずたくさんの3Dプリンターが展示されていたので、順番に紹介していきますぜー。
大幅なモデルチェンジ
まずは3D SystemsのCube 3から。昨年紹介した従来モデルも、グッドデザイン賞をとるくらいのデザインの良さ。ところがこの夏に発売のCbe 3 はさらに洗練されましたね。正直、従来モデルがちょっと霞んで見えるくらい。 新しく導入したLEDライトを点けると、まるでインテリア照明!・・・というのは言い過ぎかも知れないけど、従来の3Dプリンターからは想像できない外観ですね。
このデザインはもちろん見た目を良くする為でもありますが、可動部をカバーしまくった結果とも言えます。手を挟んだり指を切ったりするリスクを低減して、子供でも安心して使えるようにしたんじゃないかと思います。
ノズルごと交換!!
カートリッジも大幅に変わってます。一番大きい違いはノズルが内蔵されたこと。カートリッジから延びたチューブの先端にノズルが付けてあり、これを本体のヘッド(=ヒーター内蔵)に挿して使います。見た目も挿す動作も、ヘッドホンジャックのようです。 このおかげでノズルが詰まっても、最悪カートリッジごと交換すればすぐに出力が再開できます。
またフィラメントはリールを回転させて供給するそうです。これによりフィラメントを歯車などで直接送り出す必要がなくなったので、ヘッド部分にフィラメントの削りカスが溜まることはないでしょう。カートリッジの密閉化にも貢献しています。
フィラメントの専用カートリッジ化は割と批判的に受け取られがちですけど、今回の改良によりカートリッジ式を積極的に選ぶユーザーメリットが増えてます。単に顧客囲い込みの消耗品ビジネスでなく、こういう方向性だったら評価されてもいいんじゃないかなぁ。 ・・・でもみんなフィラメントの詰め替えを模索するんだろうけど(笑)
この価格でデュアルヘッド
さらにデュアルヘッドにも対応しています。しかも2色成形だけでなく、ABS樹脂とPLA樹脂の2種類を同時に使えるようです。これって地味に画期的。エントリーモデルの割りになかなかやりますね。もっともABSとPLAを同時に成形する用途が、なかなか思いつかないですけど。
自動レベル調整、ダストボックス
最近のモデルでは標準になりつつある自動レベル調整も搭載されています。レベル調整というのは、造形物がくっつく台とノズルの間の隙間を自動調整する機能です。隙間がゼロだと樹脂が出ないし、空きすぎてると樹脂が剥がれてもじゃもじゃ製造マシーンになってしまいます。
この調整が面倒だし、慣れてないと難しいもいのです。 それが自動化されてる・・・はずなんだけど、説明員の方の「・・・手動でもできます」という言い方と行間から、手動調整が必要な場面も少ないのかなーなどと邪推(笑)
その辺は使ってみないと分からないですね。 あとメーカーサイトでサプライ品を調べたら、ダストボックスが用意されてます。ノズル先端のカスを取ってくれる機能もあるんでしょうか。
7月発売予定?
説明員によると、国内での発売は7月以降で価格もまだ調整中とのこと。16万円くらいとの噂もききましたが、米国サイトでの直販価格が約12万円と表示されたので、まぁそのくらいかな。これはUp! Plus2はうかうかしてられないな・・・
国内で購入できるところは多そうです。現行モデルもAmazon、ビックカメラ、ヤマダ電機など一般的な流通ルートで流れてるので、Cube 3 も割とすぐどこでも買えるようになるんじゃないでしょうか。
教育現場向けに考えられてる
最初のプレスリリースで「3D Systemsは教育分野向けに新型Cubeを・・・」とあったと思いますが、現物を見てそれがよく分かりました。 子供が触っても安全な可動部のカバー、非加熱式のベッド。詰まってもノズルごと交換可能なカートリッジも、マニアでない教員でも比較的楽に扱えるでしょう。
積層ピッチも2種類のみでいじれるところが少なそうだけど、とにかく調整無しで安定して使えそうな工夫が随所に見られます。 実際の使い勝手やプリント品質については徐々に分かってくるでしょうが、学校とかで「モノをデザインする」方で3Dプリンターを導入するなら、Cube 3は有力な候補ですね。
Cube Pro はマイナーチェンジ版
一方のCube Proは昨年モデルのCube Xのマイナーチェンジ版です。外側のケースを一新し、中にヒーターを入れて庫内温度を管理するようにしたくらいのよう。カートリッジも昨年モデルと同じようですね。自動レベル調整は搭載されてます。 Cube 3 を見てしまうと、正直パッとしない感じだなぁ…
Cube 3 主な仕様
詳細はメーカーサイトへ。
最大造形サイズ | X152mm x Y152mm x Z152mm |
最小積層レイヤー | 70μm (0.07mm)200μm (0.2mm): 高速モード |
フィラメント | 専用カートリッジ(ABS, PLA) |
接続方式 | LANケーブル、USBメモリ、WiFi(予定) |
Cube 3 フォトライブラリ
写真を見て、発売までハァハァしよう! なお出力サンプルはCube 3、Cube Pro どちらで出力したか明記されてませんでしたが、大体はCube 3のものと思われます。
Cube Pro フォトライブラリ